令和4年度の農林水産省の国庫補助事業:持続的生産強化対策事業のうち時代を拓く園芸産地づくり支援のうち水田農業高収益作物導入推進事業(全国推進)に、令和4年2月に応募し、4月1日付けでこの事業の割当内示、4月11日付けで交付決定通知を受けました。令和4年度 水田農業高収益作物導入推進事業(全国推進)の目的及び成果目標は、以下のとおりです。

 

1.事業の目的

園芸産地の育成を促進し、実需者ニーズに対応した園芸作物の生産拡大を実現するため、まとまった規模で安定的に園芸作物を生産及び供給することが可能となる水田地帯において、園芸作物への作付けの転換に向けて、新しい園芸作物産地育成に必要な技術面や販売面での課題の抽出、改善方策の検討等を行うなど、水田地帯における水稲等から転換による園芸作物の生産・出荷体制の構築に向けた取組が期待されている。
近年、水田等で新たに野菜生産を始める地域の拡大や生産技術の発達の向上等により、一部の野菜については生産の増加がみられている一方、コロナ禍の影響等もあり、家庭食の増加や調理時間の短縮嗜好により冷凍野菜などの加工・業務用野菜の調達ニーズが高まっているものの、青果主体の生産体制が継続している現状を踏まえ、冷凍野菜等に関する調査分析を進め、国内での原料調達が可能となる需要に応じた柔軟な野菜の生産・出荷体制を構築する環境づくりを推進する。
なお、近年は異常気象の頻発等により、加工・業務用野菜で求められる「定時・定量・定品質・定価格」のニーズ対応や園芸作物の生産を拡大するため、水田を活用した新たな園芸産地の育成、まとまった面積での機械化一貫体系等導入、端境期の出荷等に取り組む産地育成等の課題解決に向けて、当事業において幅広い取組を推進し、その成果を全国の加工・業務用野菜の産地や実需者に波及させることを目的として本事業を行う。

このため、本協議会では、これらの課題解決に必要な
① スマート農業推進のため、水田利用での野菜等の機械収穫実演会の開催
② 加工・業務用野菜等の品種開発に取り組んでいる研究圃場視察と品種開発関連セミナーの開催
③ 冷凍野菜の素材原料の国産化を推進するため、委託実証試験栽培の実施
④ 加工・業務用野菜の販路確保・拡大を促進するための産地・実需者に向けた情報交換会セミナー
の開催
⑤ コロナ禍で各セミナーへの参加が見送られたりするため、セミナー内容を後日配信するサービスの
実施
⑥ 園芸作物転換強化事業(都道府県推進)の実施地区への現地ヒアリング調査の実施
⑦ 水田利用の園芸作物へ転換する際の品目別マニュアル作成・発刊
⑧ 物流・流通センター等視察及び青果物貯蔵・流通・販売等に関するセミナーの開催
⑨ 青果物の冷凍野菜実証試験を行い、実用性の検証
⑩ 新型コロナ影響・事例等や青果物・野菜加工品等の輸出入動向・今後の可能性に関するアンケー
ト調査
⑪ 冷凍野菜(国内・海外輸入)の素材原料を含む取り扱い実態アンケート調査
⑫ 生産者や実需者、流通業者などの中から専門委員を任命し、農林水産省との意見交換会の開催
⑬ 当事業で課題解決に向けて年間取り組んだ内容を盛り込んだ総括的なセミナーの開催

 

2.具体的な成果目標

加工・業務用国産野菜の生産・流通の拡大を図ることを目標に本事業で実施する現地検討会・交流会等において、水田地帯における園芸作物への転換による新しい園芸産地の育成を加速化させるため、生産・出荷・貯蔵等に係る最新の知見等を合計2,000名以上に対して情報提供し、普及・推進につなげるものとし、次の事業を実施する。

①輸入農産物急増に対応した国内産地の生産力の強化に向け、加工・業務用かぼちゃ機械収穫の実演会(現地検討会)を開催する。
②加工・業務用野菜の先進地圃場視察及び加工・業務用野菜の契約取引等に関するセミナーを開催する。
③食品の総合展示会(フード5展+惣菜JAPAN)2021会場内で、加工・業務用野菜情報交換会セミナ
ーを開催する。
④水田農業高収益作物導入推進事業(都道府県推進)の実施地区への現地ヒアリング調査を5地区
程度実施する。
⑤水田転換生産技術導入マニュアル作成を行い、水田転換地区及び新規水田地区等へ配布を行う。
⑥過去の本事業主催の各セミナー参加者へ、意識・効果等のアンケート調査を実施する。
⑦センサスを元とした主要野菜の加工・業務用需要の動向と国内の対応方向についての調査
を実施する。
⑧新型コロナの影響・事例等や青果物・野菜加工品等の輸出入動向に関するアンケート調査を実施す
る。
⑨中間貯蔵施設等を利用した青果物貯蔵短期・中期実証試験を行い、実用性を検証する。
⑩物流・流通センター視察及び青果物貯蔵・流通・販売等に関するセミナーを開催する。
⑪モーダルシフトを利用した、特に夏場の遠隔地からの輸送・予冷試験の効果検証を実施する。
⑫当事業の事業成果発表会を2月に東京で開催し、加工・業務用関係者等へ広く成果の公表を行う。

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